無痛靭帯整復法

無痛靭帯整復 概要
~痛み無く最小の力と最短の時間で最大の効果を出す~

運動器系の外力による損傷で、柔道整復師の業務範囲の損傷は骨折 脱臼 打撲 挫傷 捻挫です。
急性外傷の骨折 脱臼 打撲 挫傷 捻挫以外で亜急性に出現する損傷は、靭帯の伸張の影響による損傷と病気によるものと考えています。

靭帯の関節における規制方向の負荷試験はいつでもどこでもすぐにできます。
患部を数日、安静にしてみたり、靭帯の負荷試験で痛みが出なければ、医科の検査の対象になると考えてもいいと思います。

亜急性外傷として症状をぼかすことで病気によるものを医師にゆだねる機会が遅くなる
可能性が高いと考えています。
患者を守るうえで、そのアバウトさが柔道整復師のグレーと言われるもとになっていると思います。

無痛靭帯整復は、上記した靭帯の検査から施術までを表現した施術法です。

無痛靭帯整復法
~無痛にこだわる意味~

疼痛は、体が示すNOと言う反応だと考えています。
捻挫において、足関節の内反捻挫で内反強制は痛みが出ます。
外反すれば痛みが止まります。

そこで外反した状態で安静のための固定を行えば、患部が改善します。
当たり前のことですが、亜急性の症状には理屈に合わないかかわり方が多く存在します。

患者の痛みに対して触診により「そこが痛い」と言うと、その痛みが増すような刺激を加える施術が横行しています。
場合によっては改善が起きることもあるようですが、根拠が不安定です。

その点、NOと言う痛みの拒否反応YESと言う受け入れ反応で改善が起きることは安定性があり悪化傾向は起きません。
患者にも柔道整復師にも安全である施術法
だということです。

関節の動きで、規制方向を確立しているのが、不随意性の靭帯です。
靭帯は、急性の外力により生理的な範囲を超えると急性捻挫を起こします。

関節の規制方向に蓄積された外力がかかり続けると、あるきっかけで急性捻挫の症状を起こすことになります。
それが、亜急性捻挫です。

その捻挫の症状は、受容器の判断により保護目的の筋の緊張として現れると考えています。
その筋の緊張により神経の圧迫が起き、関節面相互の正しくない向き合いによる軟骨の圧迫が症状として出現するのではないかと考えています。

無痛靭帯整復総論

[起因等]

姿勢保持は、反射による作用で行われています。その反射は、屈曲反射や交叉性伸展反射です。簡単に言えば、右の下肢が曲がれば、左の下肢は伸ばして立ち続けるような機能です。そのような姿勢を正す機能があるにもかかわらず、なぜ左右の下肢や上肢に使用時の差が生じるのか考えてきました。

上肢の利き腕(右利き90%)は、全ての人に認識があります。なぜ利き腕が存在するのかは、明確な説明があまりありません。

利き側は、私は独自に「安心して目的を遂行できやすい側(以後、荷重側という)」と定義しています。それに対して逆側は、「不安があるために目的を補助する側(以後、目的補助側という)」と定義しています。

なぜ荷重側にこだわるのかは、加重側の使用過多が脊柱の側弯に必ず関与していると思うからです。脊柱編だけでなく、私の取り組んでいる靭帯の考え方全てが、加重側の及ぼす影響を抜きには考えられません。

[加重側と非荷重側の差]

加重側の私の定義は、上記したように安心して目的を遂行できやすい側」です。目的遂行を積極的に進めよとする側で、器用さがあり暴走してしまうことがある側です。

上肢の場合は、意識して加重側を使っています。

下肢の場合は、無意識で日加重側を使っています。

加重側は、「安心して目的を遂行できる側」なので、精神的に不安があれば、加重側をより使い、安心しようとします。疲労などで、肉体的に目的が遂行できなくなってくると、加重側をより使い、目的遂行を果たそうとします。

上記より、下肢の加重側は、追い込まれた状態が起きた際に、無意識で使用過多が起きてしまいます。それが、脊柱に影響すれば、側弯が増すことで脊柱周辺の種々の損傷が発生します。下肢のそれぞれの関節にも目的が意識された使用過多が起きて種々の損傷が発生します。

非荷重側の私の定義は、上記したように不安があるために目的を補助する側」です。目的遂行を消極的に進めようとしない側で、不器用で暴走を食い止めようとする側です。

上肢の場合は、意識して非荷重側を使っています。

下肢の場合は、無意識で非荷重側を使っています。

非荷重側は、「不安があるために目的を補助する側」なので、精神的に不安があるために、非荷重側はより補助しようとします。疲労などで肉体的に目的が遂行できなくなってくると、非荷重側は、目的遂行を助けようとします。

上記より、下肢の非荷重側は、追い込まれた状態が起きた際に、無意識で補助的な使用に移行してしまいます。それが、脊柱に影響すれば、側弯が増すことを規制できなくなり、脊柱周辺の種々の損傷が発生します。下肢のそれぞれの関節にも目的補助が意識された使用過多が起きて種々の損傷が発生します。

上記よりいえること

荷重側と非荷重側の差が強いほど、不安定な器用さによる暴走気味な運動になります。全身における関節の種々な損傷の原因になることから、故障の多いタイプと言えます。運動能力的には、安定したパフォーマンスをすることができない、一見能力の高そうなタイプと言えます。

荷重側と非荷重側の差が弱いほど、目的に近い安定感のある運動になります。全身における関節の使用状態が安定して、故障の少ないタイプと言えます。運動能力的には、安定したパフォーマンスをすることができます。正しく強化をすることで能力の高くなるタイプと言えます。

私の運動指導の根幹にある志は「けがをさせないで、運動パフォーマンスの向上」です。非荷重側の正しい使用を指導することで、荷重側と非荷重側の差が少なくなり志を実現できると考えています。

[荷重側と非荷重側の差に対する対策]

反射誘発法

非荷重側の正しい強化が、全身(荷重側にとっても非荷重側にとっても)にとって「けがをさせないで、運動パフォーマンス向上」につながります。その方法が「反射誘発法」です。

荷重側の特徴は、拮抗筋相互の反射状態と、関節面相互の向き合いが理想的に良いことです。(目的は種々多様ですから屈筋や伸筋をバランスよく使い続けることで理想的な状態が起きやすい)その反射状態は、最初から腱反射(ゴルジ腱反射)が起きている状態だと考えています。少し強めな運動状態で拮抗筋相互(伸筋と屈筋)が影響しあって関節面相互が向き合っている状態だと思います。

非荷重側の特徴は、拮抗筋相互の反射状態と、関節面相互の向き合いが偏った状態であると言うことです。(補助的な使い方は、支え続けたり、握り続けたり、送り続けたりすることで偏った状態が起きやすい)反射状態としては、運動初期には腱反射を起こしていない状態で、運動が始ますのではないかと思っています。伸張反射の弱い運動で始まり、できればそのままの反射状態で運動を続けてしまおうとする状態だと考えています。

上記の特徴の差を埋めることが、反射誘発法です。

非荷重側の正しい強化とは、運動の初期から腱反射が起きている状態で進んでいくということです。そのために意識的に腱反射を起こしやすい上肢と下肢の筋を探しました。前腕や下腿で中間位(靭帯が緊張しにくい状態)を促進する筋から選択しました。

上肢の筋:示指伸筋 下肢の筋:長拇趾伸筋

上記の筋の収縮を意識的に起こさせることが、非荷重側の正しい強化になると思います。非荷重側が荷重側に近い条件で運動ができるようになります。荷重側の抑制も起きて、関節面相互が正しく向き合い、関節の規制方向に無理な外力がかからない理想的な運動になると考えています。     長母指伸筋↓

[起因]

筋の作用の理解は、損傷靭帯特定に必要です。

下肢での起因を考えると、荷重側と非荷重側の差が、大きな条件と言えます。それは、下肢では、荷重側と非荷重側 の差が認識されていない状態で起きて、体の持つ姿勢保持機能を超越してしまうからです。そのために、各関節において荷重側と非荷重側 のそれぞれに特徴的な余分な外力が関節の規制方向にかかり問題を起こします。下肢の場合の反射誘発法は、荷重側と非荷重側 の差をなくすためです。

上肢での起因は、荷重側と非荷重側 の差はあまり関係がありません。荷重側の認識は物心がついてからわかっているからです。上肢の場合は、荷重側や非荷重側で起きている変化がそれぞれに特徴があるということです。

荷重側で起きている変化の特徴は、目的が多種多様のために、拮抗筋の関係において筋の使用比はあまりありません。目的に対する関節可動域の偏りが強く起きてしまいます。結果、動きのある関節の規制方向に外力がかかり靭帯の伸張が起きます。そのために、中間位を維持する筋(示指伸筋 腕橈骨筋 拇指の伸筋や外転筋 深指屈筋 長拇指屈筋など)の緊張が持続し、神経の圧迫症状が起きることになります。

対策を考える場合は、前腕から手関節における正しい中間位への復帰目的の整復を考える必要があります。

非荷重側で起きている変化の特徴は、拮抗筋の関係で筋の使用比があります。目的補助をするために屈筋過多や伸筋過多が起き、関節可動域の偏りも起きやすいと言えます。特徴的な動きとしては、支え続けたり、抑え続けたりするような一定の方向性への動きの少ない動きになります。結果、あまり動かない関節(手根中手関節 近位手根列と遠位手根列間の関節など)の規制方向に外力がかかり靭帯の伸張が起きてしまいます。外見上のしわが増えたり消失したりする形態的な変化を表したりします。手根部を安定させる筋などの緊張が持続すると考えられます。

対策を考える場合は、近位手根列と手根中手関節の正しい関係の復帰目的の整復を考える必要があります。

[無痛靭帯整復] 対象になる関節面相互を正しく向き合わせて、関節面の圧を維持して伸張靭帯を短縮する整復

・自動運動による整復

患者が疼痛や機能障害を感じる方向の逆に自動運動させる。

・抵抗運動による整復

自動運動による整復方向に、抵抗をかけて運動させる。緊張筋は伸張靭帯の保護目的が多いと考えることから、緊張している筋に対して抵抗運動させることで同じ効果が期待できます。

・他動運動による整復

損傷(伸張)靭帯の特定を行い、その靭帯に対して短縮整復を行います。その手順は、対象になる関節の関節面相互を正しく向き合わせて、その状態で無痛方向の整復を行います。

頸椎の特徴は、頭部からの移行部が特殊であること、椎間関節が回旋時にスライド上に動くこと、横突起が側屈時にぶつかりやすいこと、斜角筋が緊張することで神経の圧迫症状が起きやすいことなどを理解していただきます。

肩甲帯は、胸鎖関節が体幹の骨格と唯一関節していることを理解して、肩鎖関節、烏口突起の意味、肩関節の前面の靭帯、肩甲骨の後面の靭帯、上腕二頭筋長頭の意味、脱臼の整復などを理解していただきます。

腰椎の特徴は、骨盤の接点の下部腰椎の特殊性椎間関節の形状からくる動きの理解、股関節と寛骨の関係からくる影響、腰方形筋や大腰筋の緊張、下肢への神経症状の理解などを理解していただきます。

膝関節は、下腿の回旋による影響、半月板の嵌頓の意味、膝蓋骨周辺の問題、膝窩の問題、鵞足の痛み、腓骨頭周辺の問題などを理解していただきます。

柔道整復師のたしなみ塾 〒501-2604 岐阜県関市武芸川町高野355-1 0575-46-2258                       このサイトは柔道整復師へ情報提供サイトです。ご参考にしていただいて結構ですが、個々の患者さまに対する施術に関しては各施術者の責により行ってください。
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